連載第2回目は、ステップ課題曲でもお馴染みの、130冊を超える教本・曲集を執筆されている作・編曲家、橋本晃一先生にご登場願います。(掲載:Our Music266号/2007年7月31日発行より)
橋本晃一先生
東京芸術大学音楽学部作曲科卒。日本音楽著作権協会正会員。ポピュラー音楽のエッセンスをピアノ教育に生かすべく多数の教本・曲集を執筆。ステップ≪教則本課題曲≫には「おとなのためのピアノ教本」が、≪ポピュラー課題曲≫には「やっぱりすき!ピアノ教本」「こどもだってジャズ&ロック」「ポピュラーピアノ・レパートリー」(いずれもドレミ楽譜出版社刊)などから多数選出されている。
トレードマークのおひげは、大学生の頃から。肌が弱くて剃刀負けがひどかったからとか。6~7年前からは突然スキーにハマッてしまい、国内に留まらず昨年はカナダ、今夏はニュージーランドへと海外にも進出中。ゆくゆくはヘリスキーにも挑戦!?
Interview
自然に身につくコード奏法
橋本先生とは、「ポピュラーピアノ講座」や楽譜出版等の仕事を通して随分長くお付き合いさせていただいております。先生が芸大で勉強されていたのはクラシックだと思いますが、ポピュラーは独学で習得されたのですか?
習い事としてのピアノは小学5年生で一時中断していたのですが、ちょうど中学の頃フォークソングが流行り、友達がギターでコードを弾くのを見て、自分はそれをピアノでできないものかといろいろ試みているうちに、自然とコード奏法が身についたみたいです。大学時代は、ポピュラーのアレンジやBGM演奏の仕事もアルバイトとしてやっていました。
そのように自然に身につけられるのは理想ですよね。これから取り組む先生方や生徒さんが、無理なくコード奏法を身につけられるトレーニング法があればご紹介いただけませんか?
僕は「右手でメロディー、左手でベース、その間で適当にコード」を無意識に押さえているのですが、ピアノの先生方を長年教えていて、皆さんにはそういう経験がないことに気付きました。その無意識で行っているものを、順序立てて無理なく習得できるような形にしたものが、「ピアニストのためのコードフォーム完全マスター」です。
初~中級アレンジのコツとは?
ハノンなどと同様、何度も繰り返しトレーニングすることが大事ですね。さて、15年ほど前に出版された「おとなのためのピアノ教本」、「やっぱりピアノがすき!」、そして「ピアノひけるよ!」などのシリーズは、教則本として今や定番となっていますが、いつも感じるのは先生のアレンジはとにかく譜面が見やすく、弾いてみようと思わせるオーラが出ていますよね。初~中級レベルのアレンジで特に気をつけていらっしゃる点は何でしょうか?
1.対象者に合わせた選曲、2.指使い(指くぐりやポジション移動)、3.ペダルの表示、4.対象者に合わせた見やすさなどに配慮しています。ペダルは先生方は無意識に入れてますが、初心者はそうはいかない。どこにどのくらい入れるのかハッキリわかるように表示しています。また、片手が何か難しいことをしている場合は、原則としてもう片方は易しくすることも大事です。幼児用の楽譜は絵本のイメージで、シニア世代用は目にやさしく拡大コピーをしなくてもそのまま使えるような音符の大きさも心がけています。譜めくりの位置やスラー、強弱記号、その他細かい目に見えないような配慮も、弾きやすさとして伝わっているようです。
演奏する際のポイント
手抜きをしないプロの技はさすがです!これらの曲を実際演奏する際のポイントをアドバイスいただけませんか?
では、ステップでも多く演奏していただいてるとのことで、「ホール・ニュー・ワールド」について一言ですが挙げておきましょう。
バックにビートを感じて弾くということですね。さて、先生にはポピュラーステップでのアドバイザーも快くお引き受けいただいて、今秋(11/11文京ポピュラー)で4回目となりますが、何かお感じになられていることはありますか?
どの方も、その曲に対するイメージや思い入れがはっきりしていて、大変聴き応えがあります。人に聴いてもらうのは上達のために大切なことですから、今後もこういう機会をたくさん持っていただきたいですね。
これからも皆さんが弾いてみたくなる素敵なアレンジをぜひお願いします。きょうはお忙しいところありがとうございました。
**2005~2006年度ステップポピュラー課題曲選択数
☆は橋本先生のアレンジ
やっぱりピアノがすき!
<ブルグミュラー併用曲集>
■橋本晃一編/ドレミ楽譜出版社刊 1000円+税
こどもたちのよく知っている曲ばかり43曲が、ブルクミュラー程度にアレンジされています。ステップ課題曲「ホール・ニュー・ワールド」(応用1)「美女と野獣」(応用2)「木漏れ日の路地」(応用3)も収録。
ジャズ・ピアノ・インストゥルメンツ
(マイナス・ワンCD付)
■橋本晃一編/ドレミ楽譜出版社刊 2500円+税
ブルクミュラー程度のアレンジで、本格的なジャズ・スタンダード・ナンバーを楽しめ、CDと合わせればバンド演奏の気分も味わえます。ステップ課題曲「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」(応用2)「サテン・ドール」(応用3)も収録。
ピアニストのための
コードフォーム完全マスター
■橋本晃一著/ドレミ楽譜出版社刊 1200円(税別)
コード・ネームを見て、反射的に指が反応できるようになるための練習課題曲集。PART1:トライアド、 PART2:セブンス・コード、PART3:コードパターンと発展していき、各練習課題は3段階で進められる。
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