「好き」や「得意」を活かせるピアノ指導という仕事

私は、デジタルイラストの創作が好きで、学生時代からWebサイトも作成していました。この時の経験は、教室の広報やレッスングッズの作成に活きています。例えば、バスティンの教本から着想を得た400マス練習帳には、愛着をもって使ってもらえるよう生徒に流行のキャラクターのイラストを描きました。

発表会に向けては、7段階の「上達度チェック表」を作成。自分の「現在地」を可視化し、練習のモチベーションを引き出せるよう工夫しています。また発表会当日は、自作の「メッセージカード」を使って、お互いの演奏を聴きあい感想を交換しています。今では生徒だけでなく、保護者の方も書いてくれるようになり、90枚近くのカードが行き来しています。 また最近ではソルフェージュの面から生徒の課題を見つけて補強できるよう、指番号を瞬時に弾くタイムアタックや音当てクイズ、視唱などのテストカードを作成しました。ピアノ指導者こそが、生徒の成長のために自分の得意を活かせる「天職」だったのかもしれません。 自作のレッスングッズの数々

発表会のプログラムも生徒の発想が花開くキャンパスに。

キャラクターに着せる衣装をデザインしたり、演奏する曲のイメージを描いたり。 ピアニストはエンターティナー

私は、ピアノを再開してから現在に至るまでずっと、コンペのグランミューズ部門に参加しています。指導者として、様々なステージに立つ生徒の指導につながることはもちろんですが、何より私自身が人前で演奏するのが好きで、続けていきたいという思いがあるからです。地元の芸術文化財団のアーティストバンクにも登録し、親子向けコンサートの企画や学校への訪問コンサートも行っています。

人の心を揺さぶる演奏をするためには、「私は何が好きなんだろう」「どう弾きたいんだろう」と問いかけ、自らの意志をしっかりと理解していることが重要だと思います。なぜピアノを弾くのか、どうしてその曲を選ぶのか、誰に何を伝えたいのか…。ピアノを通じて、生徒たちにも自分と向き合う経験をしてほしい。そして、音楽に限らず自らの「好き」「得意」に気づき、個性を活かして周囲の人に喜びを届けるエンターティナーになってほしいですね。 山本安耶香

愛媛大学教育学部芸術文化課程音楽文化コースピアノ専攻卒。 一般企業への就職を経て、ピアノ指導の現場へ。現在は大阪府にてれもんピアノ教室を主宰。

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