近年トーク入りコンサートがますます増え、演奏家がイベント全体の司会までもこなす機会や、YouTubeなど自分で全てをプロデュースして発信する媒体もポピュラーになりました。オンラインレッスンやセミナーの普及など、声を中心にうまく伝えなければならない場面も増えるなど、ピアニストやピアノ指導者にとっても、「声で伝える」スキルの向上は、無視できないものになってきたと思います。
私が留学していたイギリスの英国王立音楽院(Royal Academy of Music)では、「Presentation in Performance」という必修授業があり、演奏前のトーク構成も自分で組み立て、試験では演奏もトークも舞台での振る舞いも、全て込みで評価されました。今後このように、演奏家は演奏だけでなく、トークやプレゼンテーションの技術も学ぶべきという動きは、日本でも広まっていく予感がしています。
この記事に興味を持って読んでくださった方が、ピアニストやピアノ指導者にとっても、こんなにたくさんの共通点や発見があるんだ、こんなに色々なことに生かせるんだ、ということを感じていただき、「話し方・伝え方」を学んでみたいと思っていただけたら、とても嬉しいです。学び方には色々なやり方があり、アスクのようなアナウンススクールを選ぶのも一つの手ですし、各種の話し方講座や動画で配信されたものを活用したり、まずは日々の生活の実況中継から始めてみよう、などと、ご自身がやりやすい方法を選んでやってみるといいと思います。
そこから学び取ること、生かし方は、一人一人違ってくるはずです。ご自身ならではの学びを見つけて、少しずつでも実践していってもらえたら嬉しいです。
田原さん、朝岡さん、学びの多いお話を、どうもありがとうございました。
(取材:二子千草 2021年10月8日、15日。オンラインにて)
田原浩史(テレビ朝日 元アナウンサー)
1988年テレビ朝日にアナウンサーとして入社。2010年から2013年までテレビ朝日アスク校長として現職出向。2013年アナウンス部担当部長。2021年より編成業務部予算担当部長。国家資格キャリアコンサルタント、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所非常勤講師。
朝岡さやか(ピアニスト・作曲家)
旧姓・松本さやか。全日本学生音楽コンクール全国第1位、ピティナ・ピアノコンペティションコンチェルト部門上級全国大会最優秀賞(第1位)他、国内外の数々のコンクールで受賞している。桐朋学園大学ソリストディプロマコースおよび国際基督教大学心理学専攻をダブルスクールで卒業後、英国王立音楽院を首席にて修了。演奏活動と同時に、映画・CM音楽やオリジナル曲の作曲活動なども活発に行っており、外山文治監督の映画作品や、TSUTAYA、小田急電鉄CMなどの音楽を担当。ピティナ正会員。
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