まえがき
第一部 ジャンルとしての練習曲 1. 「チェルニー30番」の原題:《30のメカニズム練習曲》
2.《30のメカニズム練習曲》作品849~タイトルの解読
3. 練習曲の定義の変遷(1820年代~30年代)
4. 練習曲の定義の変遷(1820年代~30年代)その2:クレメンティの「訓練課題」とクラーマーの「練習曲」
5. 練習曲の定義の変遷(1820年代~30年代) その3:練習曲は辞書でどのように定義されたのか?
6. 練習曲、訓練課題から独立する(1830年代)
7. 練習曲étudesと訓練課題exercicesの再定義 (1839) その1
8. 練習曲étudesと訓練課題exercicesの再定義 (1839) その2
9. 作曲者からみた練習曲とタイトル~モシェレスの場合
10.書いたはずのタイトルがない!― 不本意な出版に対するモシェレスの反応
11.出版社に無視された序文の内容とは?―「諸刃の剣」のタイトル
12.モシェレスが掲げた練習曲のモットー ―C. P. E.バッハの言葉
13. 受容者からみた1830年代末の練習曲~S.ヘラーによるエチュード批評
14. 受容者からみた1830年代末の練習曲~S.ヘラーによるエチュード批評 その2
15. 受容者からみた1830年代末の練習曲 ~S. ヘラーによるエチュード批評:ショパン『練習曲集』作品25と旧約聖書
16. 1830年代末の練習曲 ~ S. ヘラーによるエチュード批評:ショパン『練習曲集』作品25と旧約聖書 2
17. 1830年代末の練習曲 ~S.ヘラーによるエチュード批評─ショパン作品25-7
第二部「30番」再考 18. チェルニーがパリで出版した練習曲(1856年まで)
19. パリで出版されたチェルニー練習曲―3つのタイプ その1
20. パリで出版されたチェルニー練習曲―3つのタイプ:タイプ② その1
21. パリで出版されたチェルニー練習曲―3つのタイプ:タイプ②その2
22. パリで出版されたチェルニー練習曲―3つのタイプ:タイプ②その3
23. チェルニー練習曲の3つのタイプ~24の《性格的大練習曲》作品692, 第1巻, タイプ③
24. チェルニー練習曲, タイプ③~24の《性格的大練習曲》作品692, 第2巻 (前半):人生の練習曲
25. チェルニー練習曲, タイプ③~《24の性格的大練習曲》作品692, 第2巻 (後半)
26. チェルニー練習曲, タイプ③~《6つの練習曲》 作品754(前半)
27. チェルニー練習曲, タイプ③~《6つの練習曲, またはサロンの楽しみ》 作品754(後半)
番外:チェルニーの練習曲による 公開録音コンサートのお知らせ
28. チェルニー練習曲, その他のタイプ その1
29. チェルニー練習曲, その他のタイプ その2
30. 作品838 ―和声を学ぶための練習曲集?
31. 和声を学ぶための練習曲集~作品838
32. 「30番」再考への前置き
33. 「30番」を様式・メカニスムの観点から分類する
34. 「30番」と様式―第1番はJ.-B. リュリのジーグ?
35. 「30番」再考 ~ 第2番 独唱風の旋律
36.「30番」再考 ~ 第4番 重唱風の旋律
37.「30番」再考 ~ 第5番 カドリーユ、またはコントルダンス
38.「30番」再考 ~ 第6番:重力に逆らって舞う舞踏的スタイル―森の情景
39.「30番」再考 ~ 第7番: 弦楽器風の旋律
40.「30番」再考 ~ 第10番: トッカータの部分練習?
41. 「30番」再考 ~ 第13番 :「紡ぎ歌」
42. 「30番」再考 ~ 第16番:ヴァイオリンに特徴的な音型
43. 「30番」再考 ~ 第17番―性格的な小品:対照的な2つの情景
44. 「30番」再考 ~ 第19番―弦楽四重奏風のスケルツォ
45. 「30番」再考 ~ 第26番―ギター風の伴奏音型と中音域の旋律
46. 「30番」再考 ~ 第28番―シンフォニックな様式
47. チェルニー「30番」:第1番についての補遺―リュリの謎
上田泰史(うえだやすし)
金沢市出身。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学修士課程を経て、2016年に博士論文「パリ国立音楽院ピアノ科における教育――制度、レパートリー、美学(1841~1889)」(東京藝術大学)で博士号(音楽学)を最高成績(秀)で取得。在学中に安宅賞、アカンサス賞受賞、平山郁夫文化芸術賞を受賞。2010年から2012まで日本学術振興会特別研究員(DC2)を務める。2010年に渡仏、2013年パリ第4大学音楽学修士号(Master2)取得、2016年、博士論文Pierre Joseph Guillaume Zimmerman (1785-1853) : l'homme, le pédagogue, le musicienでパリ=ソルボンヌ大学の博士課程(音楽学・音楽学)を最短の2年かつ審査員満場一致の最高成績(mention très honorable avec félicitations du jury)で修了。19世紀のフランス・ピアノ音楽ならびにピアノ教育史に関する研究が高く評価され、国内外で論文が出版されている。2015年、日本学術振興会より育志賞を受ける。これまでにカワイ出版より校訂楽譜『アルカン・ピアノ曲集』(2巻, 2013年)、『ル・クーペ ピアノ曲集』(2016年)などを出版。日仏両国で19世紀の作曲家を紹介する演奏会企画を行う他、ピティナ・ウェブサイト上で連載、『ピアノ曲事典』の副編集長として執筆・編集に携わっている。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会研究会員、日本音楽学会、地中海学会会員。