Category XVI「昆虫 Insect」
「蝶」などでも揃えることは可能だったが「昆虫」として4種の虫に分けた。静的な「花」とは対照的に、敏捷に動く虫の描写は技巧的なエチュードとしての機能性に結びつく。
ロシア・ピアニズムの始祖、アレクサンドル・ドュビュク(1812-1898)が残した400曲を超えるとみられるピアノ曲のうち、出版されたものは僅かで全貌は不明である。しかしいくつかの作品から彼が極めて高度なピアニズムを会得していたことは疑う余地が無い。コンサート・エチュード「レ・ムーシュ」はその好例といえる。ムーシュは蠅を指すが、双翅類全般をも意味しており、蠅などの如く、不潔なイメージを持っていない。
A.Dubuque: Les Mouches Grande Étude de concert, Op.88(ハ短調) pf:Osamu N. Kanazawa (録音:2016/12/14)