Category XXV「カプリス Capriccio」

当シリーズ最後のカテゴリーに「カプリス」を据えた。「奇想的」と訳されるこの曲種の起源は16世紀に遡る。「気まぐれ」を意味するように、特定のリズムや様式はなく、これまでのカテゴリー名などに当て嵌まらない音楽の総称ともなり得よう。ただ、この世代における「カプリス」の直接のモデルとなったのは、パガニーニのヴァイオリン独奏のための「24のカプリス」Op.1と考えられる。従って概ね快活で技巧的な作品が多く見られる。


僅か23才で早世した鬼才ルードヴィヒ・シュンケ(1810-1834)が残した作品は14点に過ぎない。しかしながらシューマン、ショパン、ヘンリエッテ・フォイクトらに捧げられたそれらの作品はピアノ音楽史上重要な意味を持つ。シューマンは「トッカータ」Op.7でこの盟友を讃えた。「カプリス第1番」はクララ・ヴィークに献呈されており、才気煥発なシニングの面影が偲ばれる。

L.Schunke:Premier Caprice Op.9 ハ長調 pf:Osamu N. Kanazawa (録音:2017/7/28)