Category XII 「悲しみ Sorrow」
今回は「悲しみ」をテーマとした特集である。
この種のタイトルのピアノ曲はセンチメンタルで低俗なもの、と思われがちなせいか、今に伝わる作品はきわめて少ない。それだけに作曲者の趣味と品性が問われることになろう。そうした格調を失わない作曲家を選んでみた。
カール・グレーデナー(1812ー1883)はチェリスト、指揮者として活躍した人で、その優れた室内楽曲はライネックやブラームスに少なからず影響を及ぼしている。(実際、彼らに書かれた作品が存在する)。
「ひとときのブレッター」と題された3編の小品集の第2集 Op.33はグレーデナーの三人の子どもたちのために書かれ、「初めての大きな悲しみ」は最終の第9曲。こうした音楽を曲集の最後に据えるというのは、異色といえよう。
K.グレーデナー:「Erster ernster kummer Op.33-9 変ロ短調 Karl Graedener:Erster ernster kummer pf:Osamu N. Kanazawa (録音:2016/10/15)