Category XIV「ソナタの第2楽章」2nd Movement of Sonata

ピアノ・ソナタはベートーヴェンを頂点として極められた後、休息に下火となった。ベートーヴェンの創作史はピアノの発達史とほぼ重なるが、この曲種は元来が「交響曲」 の独奏用転写といった性格を持っていて、ピアノの音色の上に成り立ったものとは考えにくい。それは次第に耳が聴こえなくなっていくベートーヴェンが、それと同時に現実のピアノの音色から離れ、思索と空想によって作品を構築していったことと深く関わっている。

しかし、ソナタの伝統はその後も重いテーマとして引き継がれ、ショパン世代の作曲家たちも少数ながら取り組むことを忘れなかった。この世代ではタウベルトとエヴェルスが各6曲のソナタを書いているのが最多である。ここではその「第2楽章」をテーマに据えた。

ユリウス・エミール・レオンハルト(1810~1883)の厳格かつ高雅な音楽は、メンデルスゾーンを健全にしたような印象がある。残念ながら残された作品数は少なく、Op.番号 では25を数えるうち、研究できるピアノ曲は3点のみ。「ソナタ・クァジ・ファンタジア Op.5」は、学習時代の総仕上げとしてコンクール入賞した作品で、一つの主題が4つの楽章を統一する仕掛けとなっている。第一楽章はヘ短調

J.E.Leonhard:Sonata quasi Fantasia Op.5, 2nd mov. Andante(変イ長調) pf:Osamu N. Kanazawa(録音:2016/12/12)