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ヒンデミット

ヒンデミット

Hindemith, Paul

1895 - 1963   ドイツ

ヒンデミットは、映画やラジオといった第1次大戦後に普及した先進的なメディアに加えて、自動楽器を作曲に導入した先駆者でもある。自動ピアノ用に編曲された《ピアノ音楽》作品37(1925)のロンドや《自動楽器のための音楽》作品40(1926:一部残存)を始めとして、ヒンデミットは自身が担当した5本中2本の映画音楽に自動楽器を用いた(《猫のフェリックス》(1927),《午前の大騒ぎ》(1928):共に消失)。ヴァイマル共和政期(1919-1933)は、映画館が歌劇場に取って代わり、映画を観に行くことが社会のどの階層に属する人々にとっても享受し得る娯楽になった時代であり、ヒンデミットも映画音楽の作曲を通して、当時数多く制作された無声映画から多大な影響を受けた。とりわけ、映画作法を直接的に取り込むことのできるジャンルとして、ヒンデミットが生涯を通じて創作し続けたのがオペラである。彼は創作第1期から既に、1幕物のオペラ《殺人者、女達の望み》(1921)、《ヌシュ・ヌシ》(1921)、《聖スザンナ》(1922)を作曲したが、第2期の《カルディヤック》(1926)はそのプロット、音楽、演出において1920年代のドイツ表現主義映画に負うところが大きく、映画『カリガリ博士』(1920)との親近性が指摘される。また、《行き帰り》(1927)と《今日のニュース》(1929)は、いわゆる「時事オペラ」の代表作であり、C. チャップリンの喜劇映画にも相通ずる当代社会への風刺性を内包している。さらに、交響曲版がヒンデミットの最も有名な作品の一つである《画家マティス》(1938)の後も、晩年に《世界の調和》(1957)と《長いクリスマスの会食》(1961)を発表し、その長きに渡る創作人生において、オペラがヒンデミットにとって求心力を失っていなかったことが窺える。

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