PTNA
ピティナ・ピアノ曲事典 PTNA Piano Encyclopedia
ライブラリ
戻る
ドビュッシー

ドビュッシー

Debussy, Claude Achille

1862 - 1918

国内コンサート登場回数: 304回

1「霧」 ピアノの白鍵と黒鍵の響きを混ぜる手法が、非現実的な雰囲気を醸しだす。ステファン・ヤロチニスキはこうした語法を「ドビュッシーの音響宇宙」と呼んだ。 2「枯れ葉」 冒頭の神秘的な和音の連なりは、わざと調性をぼかすことによって宙に浮いたような効果をあげている。 3「ヴィノの門」 ファリャから送られたアルハンブラ宮殿の入場門の絵葉書に想を得たといわれる。ハバネラのリズムに乗って、暗く熱っぽい旋律がさまざまに展開される。 4「妖精はよい踊り子」 タイトルは第1巻の「パックの踊り」と同じくアーサー・ラッカムの絵本『ケンジントン公園のピーターパン』の挿絵からとられた。 5「ヒースの茂る荒れ地」 深々とした情趣に満ちた作品。陰気な表情記号の多いドビュッシー音楽の中で、珍しく「喜びに満ちて」と書きつけられた部分がある。 6「風変わりなラヴィーヌ将軍」 ラヴィーヌ将軍はアメリカ生まれのヴォードヴィルの芸人。ドビュッシー特有の皮肉なユーモアをあらわした作品。 7「月光の降りそそぐ露台」 インド皇帝ジョルジュ5世の戴冠式の模様を伝える『ル・タン』紙の記事に想を得たといわれる幽玄な作品。 8「水の精」 フケー『ウンディーネ』へのラッカムの挿絵がイメージ源。中間部では未完のオペラ『アッシャー家の崩壊』のモティーフが使われている。 9「ピックウィック殿礼賛」 タイトルはドビュッシーが愛読していたディケンズの作品からとられた。謹厳実直なイギリス人を揶揄するイギリス国家のパロディ。 10「カノープ」 ミイラを作ったあと、内臓を入れて埋葬する古代エジプトの壷。全音音階の響きの中で、『アッシャー家』の「崩壊の主題」の連打音が不吉な影を落とす。 11「交替する3度」 3度の響きを素材として使った点で『12の練習曲』に共通する。クラヴサンの「バトリ(左右のすばやい交替)」をアレンジしたもの。 12「花火」 黒鍵と白鍵の交替が複調的な効果をあげている。花火が二重グリッサンドとなって炸裂したあと、かすかにフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』が聞こえてくる。 1915年作の『12の練習曲』は、ピアノ技法を追求するとともに、作曲技法的にも20世紀音楽の扉を開く傑作。当初はクープランに捧げることも考えたが、最終的に「ショパンの思い出」に捧げられた。デュランへの手紙には、ショパンの教えを伝授されたモーテ夫人への感謝の念がつづられている。 1.「5本指のための(チェルニー氏に倣って)」。『子供の領分』の「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」と同系列の作品。曲頭の「チェルニー氏に倣って」とは、チェルニーを嫌っていたショパンの教えに派生するドビュッシー一流の皮肉と思われる。 2.「3度のための」 ショパン『練習曲作品25-6』と同様の音形だが、意味が違う。ショパンの重音の練習曲が、基本的に各指の分離と重心の移動を目的としたのに対して、ドビュッシーは3度の響きそのものに注目し、作曲素材として使ったのである。 3.「4度のための」 『版画』の「塔」と同系列の作品で、時空に漂う4度の連なりと、鐘を乱打したような激しい音響が東洋ふうのイメージをかきたてる。 4.「6度のための」 ショパンの練習曲のように手の拡張のために書かれたというよりは、音響実験としての意味あいが大きい。 5.「8度のための」 ショパン『作品25-9』の軽やかなスタッカートから、『作品25-10』の強いレガートまで、さまざまなオクターヴの技法が追求されている。 6.「8本指のための」 ショパン『作品10-8』の発想をもとに、クラヴサンふうの「バトリ」と黒鍵と白鍵の交替を加え、まったく新しい音響世界を創り出している。 7.「半音階のための」 ショパン『練習曲作品10-2』やリスト『鬼火』の幻想性を発展させた作品。ドビュッシーは、「いささか使い古された感のあるこの技法から少しは新しいものがひきだせたのではないかと思う」と書いている。 8.「装飾音のための」 タイトルは、クラヴサン時代の装飾音の総称「アグレマン」に因っている。作曲者自身の表現によれば「イタリアの海の上のバルカローレの形式」にのっとって、ドビュッシー風にアレンジされたさまざまな装飾法がくりひろげられる。 9.「反復音のための」 連打音や「バトリ」をコミカルにアレンジした作品。 10.「対比音のための」 ドビュッシー音楽の原点である「対比」の概念から発している。さまざまな鐘の音がそれぞれのレベルで打ち鳴らされ、一種の音響宇宙的な効果をあげているが、ときおり戦争を象徴する進軍ラッパのモティーフもこだまする。 11.「アルペッジョのための」 初期のスケッチは、ショパン『練習曲作品10-1』によく似た音形で書かれていたが、最終稿はむしろ『同作品25-1』を連想させる。 12.「和音のための」 大きくてよく拡がる手をもっていたドビュッシーは、和音を楽々とつかみ、平行移動させて楽しんだと言われる。最後の練習曲は、ドビュッシーが「スウェーデン体操」と呼んだ左右の大胆な跳躍がピアニストたちを悩ませる。

こちらも読んでみませんか

作品一覧 (206曲)

曲集・小品集 (55)

前奏曲 (25)

練習曲 (21)

交響曲 (4)

マズルカ (1)

ノクターン (1)

ラプソディー (1)

ベルスーズ(子守歌) (1)

演奏動画 (20)

楽譜

admin