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ヘラー

ヘラー

Heller, Stephen

1813 - 1888   日本

1860年代、ヘラーはベルリオーズの友人でヴィオラ奏者兼作曲家のダムッケBerthold DAMCKE(1812-1875)を中心とした音楽家のサークルに加わるようになった。このサークルで、ヘラーはベルリオーズをはじめ、パリ音楽院教授のマサール夫妻、卓越した歌唱力を誇ったメゾ・ソプラノ歌手ヴィアルドPauline VIARDOT(1821-1910)らが集った。さらにパリを訪れる著名な音楽家、ヴァイオリニストのヨアヒム、未亡人となったピアニスト兼作曲家クララ・シューマン、それにモシェレス、ルービンシテインたちも時折このサークルに加わって演奏した*12。1862年の2月から5月にかけて、アレの呼びかけに応じてイギリス旅行に参加した。イギリスではすでにヘラーの作品は出版されていたし、大変人気になっていた。アレ、ヨアヒム、ヘラーの三人はリヴァプール、マンチェスター、ロンドンでヘラー作品やモーツァルトの協奏曲を共演した。周囲の音楽家と交流を深める一方で、彼の創作は外向的になるどころかいっそう内面的で洗練された世界へ向かっていった。《ノクターン第3番》3e Nocturne op. 103(Paris: Flaxland, 1862)のような作品において、書法はいよいよ透明度を増していく。一見簡素な音の並びの中には研ぎ澄まされた和声と控えめに用いられる同時代のピアノ語法が自然に同居している。一方、《ポロネーズ》Polonaise op. 104(Paris: G. Flaxland, 1862)はパリ風の明るく明快なスタイルで書かれているが、演奏技巧の誇張を抑えてベートーヴェン流に一つの主題で曲全体を構築し、引き締まった印象をあたえる。その他、《ファンタジー・カプリース》Fantaisie-Caprice op. 113(Mainz: Schott, 1865)、シューマンの同名の作品に想を得たと思われる《子どもの情景》Scènes d’enfans op. 124(Paris: Maho, 1868)はいずれも作曲家としての高みに達した1860年代の成果である。

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